オンラインツール「AI4Mars」でNASAの火星探査ローバーのAI学習をみんなで手助け出来る。日本語にも対応

ウェブサイトZooniverseで公開されている「AI4Mars」を利用する事で、ボランティア作業でNASAの火星探査ローバー『キュリオシティ』のAI学習の手助けをする事が出来ます。
このサイトは日本語にも対応していて、アクセスして多角形をクリックするだけで火星の写真の地形を教えてあげる事が出来ます。
『キュリオシティ』の探査効率を上げる為の学習ツール
【AI4Marsのウェブサイト】
NASAの火星探査機ローバー『キュリオシティ』がよりスムーズに火星を調査出来る様になるかもしれません。
オンラインツールである「AI4Mars」にアクセスして、火星から送られてきている写真に地形の特徴をラベル付けしてあげると、『キュリオシティ』の人工知能アルゴリズムを訓練する事ができて、今後自動でローバーが火星の地形を読み取れるようになるかもしれません。
“『それぞれの地形を囲むように多角形を描いでください。順番に頂点をクリックし、最後にダブルクリックをしてください。』”
ウェブサイトZooniverseにある『AI4Mars』は地形の写真に対して、砂・土・平らな岩・大きな岩を選択して、クリックで囲んであげるだけでその地形がどの様になっているのかのラベルをアルゴリズムに伝えてあげる事が出来ます。
【マウスクリックの操作のみでボランティア活動が行える】
これらでラベル付けされた情報はSPOC(Soil Property and Object Classification)と呼ばれる火星の地形分類アルゴリズムを鮮明にして行く為の鍵になるとの事です。
全ての火星探査機のミッションの管理をしているNASAのジェット推進研究所(JPL)で開発されたこのSPOCは、これらの情報を受信してマップを作成していく事で現在火星ミッションを行っているメンバーがどの様な進路を取るべきかを判断する為に非常に役立つものだと期待しています。
このSPOC自体は既に使用されているシステムではあるものの、まだまだAIに対してトレーニングを重ねて行く必要があるとの事です。
ローバーが自らAIで地形の解析を行う事で探査の計画を効率的に立てられるようになる
by:phys.org
JPLのAI研究者である小野雅裕氏はこう述べています。
“「通常、ディープラーニングによるアルゴリズムをトレーニングするには数十万もの例となるデータが必要です」”
“「例えば自動運転の自動車のアルゴリズムは道路、標識、信号機、歩行者、その他車両等の多数の画像で訓練されていますが、現在ディープラーニングの為に公開されてるデータセットには更に人、動物、建物が含まれています。しかし、それらは当然ながら火星の風景は含まれていません。」”
SPOCが学習を重ね、AIの処理速度を上げる事が出来れば、今後『キュリオシティ』が探査中に火星の危険な地面を自動的に識別できるようになり、次の動きの計画を自ら地球に送る事でスムーズな計画が立てられるようになるそうです。
『キュリオシティ』を動かすローバープランナーの仕事
このSPOCの学習が進む事で、ローバープランナーと呼ばれるJPLエンジニアの火星探査ミッションの作業効率も向上します。
彼らエンジニアは『キュリオシティ』の全ての行動の制御、管理を行う責任者であり、探査ミッションの中でローバーを火星のある場所からある場所へと移動させる作業を行っています。
その際に、ローバーを移動させる際には実行プログラムを送信する必要があり、一度の移動指示を送信するだけで4~5時間を費やす事もあります。何百行ものプログラムコードを書いて、それを検討しなければならないのです。
また、この作業には科学者や地質学者で共同で行われ、実行される移動プログラムによって『キュリオシティ』の車輪が滑ったり、鋭い岩に傷つけられたり、砂にはまって動けなくなってしまう可能性を予測する為に地形を評価する必要があります。
更にはコマンドを常にしっかりと受信できるようにする為にアンテナの位置・向きを考慮して、運転終了後に次の作業を考慮してローバーの向きまでしっかりと決めなければなりません。そういった細かい面も予測して探査機の移動プログラムを書いていかなければならないのです。
SPOCは、ローバープランナーの複雑で時間のかかる作業に丸々取って変わるものではありません。しかし、SPOCがAIの学習を向上させる事で彼らが他の仕事に集中する為の非常に大きな手助けになります。
AI4Marsに関わるJPLローバープランナーの1人であるStephanie Oij氏は
“「地形ラベルをAiが生成すれば、時間の節約になりより調査が生産的になるでしょう」”
と述べています。
今後、SPOCのAIによるより正確なアルゴリズムを利用できる利点はNASAの今後の火星ミッションにまで及ぶそうです。
これまでに『キュリオシティ』が撮影した8,000枚以上の画像がAI4Marsにアップロードされていて、これらの地形を解析する事はアルゴリズムの解析の十分な材料になるそうで、一緒に解析を行ってくれるボランティアの人々を広く募集しているそうです。
当面の間、このJPLのボランティア作業は、英語、日本語を含む6か国語に対応しています。
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