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古代のパイプから、ネイティブアメリカンがどんな植物を喫煙していたのかが明らかになる(アメリカ)

ワシントン大学の研究チームが、最新の技術を利用して古代のネイティブアメリカンの使用していたパイプを研究調査したところ、残留物から非タバコ植物の痕跡を発見しました。

この新しい発見により、古代の人々がどの様な植物をパイプに詰め込んで喫煙をしていたのかが明らかになったそうです。

発見されたパイプからタバコ以外の植物を喫煙していた痕跡を発見


【研究者のコリー・ブラウンスタイン氏】by:ancient-origins.net

新しく発見されたネイティブアメリカンの喫煙パイプに対して、アメリカの研究者たちは最新の科学技術を駆使して彼らの当時の喫煙習慣について研究を行ってきました。その中で、研究者たちは初めてパイプの中にタバコ以外の植物の痕跡を発見する事に成功したそうです。

この発見によって、ネイティブアメリカンたちはどの様な植物をどんな形で喫煙していたのかを研究し、理解する事に役立つとの事です。

ワシントン大学のチームは、1430年の現在のワシントン州にかつて住んでいたネイティブアメリカンたちが作成し、利用していた古いパイプを調査中に発見しました。

主任研究者の1人であるコリー・ブラウンスタイン氏によると

“「ネイティブアメリカンにとって喫煙は宗教的、儀式的な役割を果たすことが多く、私たちの研究は今回発見したこれらの特定の植物は過去にコミュニティにとって非常に重要なものであった事を示している」

と言います。

古代のアメリカ大陸にヨーロッパ人がやってくる前後、喫煙には薬効があり、精神的な特性がを持っている事が様々な習慣・文化によって明らかになっています。現在では喫煙は健康上のリスクとみなされていますが、今でもアメリカ北西部に住むネズパース族やコルヴィル族などの部族にとって喫煙は非常に大きな文化的意義を持つものです。

実際に喫煙されていた植物の種類まで特定する事に成功


【ウルシ科のルスグラブラ(Smooth sumac)】by:ancient-origins.net

専門家たちは、ヨーロッパからやってきた商人によって導入された商業栽培のタバコが広く普及する以前に、ネイティブアメリカンがどの様な植物を喫煙していたのかに興味を持っていました。

ネイティブアメリカンに喫煙の習慣があった事は明らかになっているものの、彼らがヨーロッパ人と初めて接触する以前にどの様な植物をどの様に使用してきたかについてはまだほとんど知られていません。

研究者たちはFrontiers in Molecular Biosciences誌には、「家畜化されたタバコの普及は、古代の土着のタバコの習慣を追い越してしまい、過去の文化を不明瞭にしてしまったようだ」と書かれています。

今回利用された研究技術はメタボロミクスに基づく分析として知られる新しい技術によるものでした。この研究方法は従来のバイオマーカー法よりも多くのデータを得る事ができ、何千もの植物の残留物を検出できる可能性を持っている為にパイプの分析をする上で非常に役立ったと言います。

デイビッド・ギャング教授は「この方法は、パイプから興味深い植物を見つけただけではなく、タバコの他に何が吸われているか等を知る事が出来た」とコメントしています。

実際に今回の研究調査ではパイプを使ってネイティブアメリカンがタバコを吸っていたのかどうかだけではなく、実際に喫煙されていた植物の種類まで特定する事が出来たそうです。

パイプの中にあった残留物にはワシントン州で育つウルシ科のルスグラブラとして知られている植物に由来する痕跡が残されていた様です。この植物にはニコチンが含まれていない為、ネイティブアメリカンが喫煙をする時にニコチンを含まない植物も使用していたことが明らかになりました。

そしてこの発見は、科学者が古代のパイプにあった残留物から非タバコ植物を特定した最初の発見になるそうです。

なお、発見されたルスグラブラはタバコと一緒に吸われていたそうで、薬効とタバコの風味を改善する為に混ぜて使われた可能性が高いと言われています。

古代のネイティブアメリカンはタバコを交易品として他の領土との取引を行っていた


【調査された古代のパイプ】by:ancient-origins.net

また、研究の一環として、研究者たちはネイティブアメリカンがヨーロッパ人と初めて接触した時代まで遡って現在発見されているパイプを調査したそうです。結果的に、それらのパイプにはニコティナ・ルスティカとして知られているタバコが含まれていたらしく、このタバコは現在のアメリカの東海岸あたりに古代暮らしていた多くの部族たちに広く喫煙されていた物だそうです。

この発見から、ネイティブアメリカンのコミュニティは地域内、地域間でタバコの種子や材料の取引を含めて広く交流していた事が予想されます。

この発見は二つの重要な意味を持つ事になるそうです。

一つはネイティブアメリカンが自分たちの領土で栽培された植物を使用していただけではなく、他の領土との取引を行いタバコの取引は長距離の貿易ネットワークの一部であった事を示しているという事。

もう一つは、ヨーロッパ系からやってきた商人によって商業的に栽培されたタバコが導入されたのち、ネイティブアメリカンが自然に栽培を行っていたタバコの仕様を放棄した訳では無いという事になります。つまりは、白人の商人や開拓者がアメリカ大陸に到着後でも、彼らは地元の文化的習慣を継続していた可能性が高い事を意味しています。

現存するネイティブアメリカンとの協力


【ネズ・パース族】by:newsela.com

研究チームは、現存するネイティブアメリカンの部族たちと協力して古代の研究、調査を行う方法を試しています。

実際、彼らは古代にヨーロッパ人がアメリカ大陸にやってくる前に普及していたタバコの種を開発し、それらをネズ・パース族にいくつかの種を与えています。

喫煙という風習自体を遺産の一部を考えているネズ・パース族などはその事に関心を持ち、祖先の土地で数年間にわたって種を栽培しています。

主任研究者のブラウンシュタイン氏は

“「このプロジェクトは私達と部族とのコミュニティにおいて信頼関係を築く事に役立ち、私たちが協力して過去の調査や研究を行う事が出来る可能性を示すため、重要です。」”

と述べています。

また、今回研究に利用した最新の技術は古生化学の分野に革命をもたらすと考えられており、古代の人々がどの様に植物を使用したのかを理解するのに今後大きく役立っていくと考えられています。

特に、古代の人々がどの様に薬用、娯楽用、宗教用に植物を使用していたのか、文化の発展にどの様な役割をはたしていたのかを明らかにする事が出来るとの事です。

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