技術の進化によって、『掘る事なく』て中世ローマ時代の都市のマッピングを行う事に成功(イタリア)

ケンブリッジ大学とヘント大学の考古学者チームが高度な地中レーダー(GPR)を利用する事で、初めて中世ローマ時代の都市の地図を「掘る事なく」マッピングする事に成功しました。
この技術によって古代の集落についての考古学的な研究に革命をもたらす可能性があると述べられています。
GPRのレーダーによるマッピング技術によって掘らない遺跡調査が可能に
【現在ファレリイ・ノヴィが埋没している場所】by:edition.cnn.com
今回マッピングされた町は古代ローマのファレリイ・ノヴィという都市で、かつてローマの北31マイルほどに位置する場所にあり、紀元前700年の初期に放棄され現在では土の下に埋没していた都市でした。
GPRはレーダーの様に機能し、対象物から電波が反射する事によって生じるエコーを利用して様々な画像を作成していきます。研究チームは四輪車の後ろにレーダー機器を取り付け、それをけん引する事によって30.5ヘクタールに広がる調査対象地全ての調査を行う事が出来ました。
【GPRはレーダーを取り付けた四輪車】by:edition.cnn.com/a>
調査の結果、風呂場、市場、寺院や、これまでに見たことのない公共のモニュメント、さらには街中に広がる水道管のネットワークまで、驚くべきほどの詳細な内容を発見する事に成功しました。
このGPRのレーダーの技術を使い様々な深さを調べる事で、過去の街が何百年にも渡る時間の中、どの様に発展してきたかを『掘る事なく』研究する事が出来る様になったとの事です。
Antiquity誌に発表された内容では、GPR技術の進化によってこれまで以上に高解像度でより広い範囲を探索する事が出来る様になった事が説明されていました。古代の多くの都市は大きすぎたり、現代の建物の地下に閉じ込められたりと、発掘が困難な状態にあります。
その為、GPRによって今まで発掘が諦められていたその様な都市をを掘る事なく探索する事が可能になるこの技術は、古代都市の研究に革命をもたらす可能性が高いと言われています。
詳細な情報によって、今までの研究予想とは違った発見に成功
また、今回の発見された都市は、ポンペイをはじめとした長年にわたって研究されてきた古代のローマの都市デザインの常識とは異なっていたそうです。都市自体はポンペイの半分ほどの大きさでしたが、神殿、市場の建物、浴場等の複合施設が、研究者が予想していた内容よりも複雑で精巧な造りをしていたそうです。
南部地区の城壁内では、水道のネットワークに繋がった長方形の建物が発見されました。これらは現代で言う露天風呂やプールに水道が供給されていたと考えられており、大規模な公衆浴場の一部を形成したものだと予想されています。
更に市の北門近くでは、向かい合った大きな二つの構造物が発見されたそうで、研究チームはこれらが何であるかはまだ明らかになっていないものの、公共の記念碑的なオブジェクトとして、街の神聖な景観として貢献していたのではないかと考えられています。
更なる調査効率化の開発も進行中、ゆくゆくは更に巨大な都市の調査も可能に
ケンブリッジ大学の古典学部のマーティン・ミレット教授は
“「今回のファレリイ・ノヴィの調査で利用したGPRによる驚くべき性能と調査結果は、今後考古学者がこの種の調査を行う上での調査方法を今までの物とは大きく変えていく可能性がある事を示しました」”
と述べています。
ただし、この様な高解像度のマッピングによって得られる膨大な量のデータには、まだまだ大きな課題が残されている様です。現状でのデータ分析の方法では手作業もあり処理に時間が掛かりすぎてしまう様で、1ヘクタールを記録するのに約20時間を費やしてしまうそうです。
既に将来より多くのデータを処理出来る様にこれらの新たな自動化の技術の開発も進めているとの事です。
ミレット教授と彼の同僚は既にGPRを利用してイタリアのInteramna Lirenasや、ノース・ヨークシャーのオールドバラ村の調査を進めていますが、今後もっと大きな遺跡にもこの技術を利用していく事を計画しています。
“「トルコのミレトス、ギリシャのニコポリス、リビアのキュレネなどの過去の主要な大都市の調査にGPRが使用される事はワクワクしますが、それは現実的なものになりました。私たちは過去のローマの都市生活についてはまだ多くの事を知る必要がありますが、この技術は今後数十年の間、前例の無いチャンスを切り開いてくれるはずです。」”
と、GPR技術の将来での活躍に対して大きな期待を抱いている様です。
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