ムンクの『叫び』が年々劣化していく原因は私たち鑑賞者にあった。
世界的に有名な絵画の一つにEdvard Munchsi(ムンク)氏の『叫び』がありますが、この絵画が長い時間をかけてある意外な理由で劣化していっている事が国際的な科学チームの研究によって明らかになりました。
ムンクの『叫び』は人々の呼吸を浴びる事で劣化していった
科学者たちは1910年に描かれたEdvard Munchsi氏(以下:ムンク)の代表作『叫び』は日に日に劣化していると言います。それはライティングの調子が悪いとかディスプレイの方法が不適切だったという訳ではありません。
単純にそれを鑑賞する人々が「呼吸をしているから」だと言います。
あくまでもこれは一つの原因ではありますが、国際的な科学チームがX線検査やその他研究の技術を用いて作品のキャンバスが劣化している原因を調べたところ、ムンクがこの作品に不純なカドミウムイエローの塗料を使った事が明らかになりました。この塗料は低湿度に弱く、人の息を浴びる事を繰り返す事で色褪せてはがれ押してしまう可能性があるそうです。
国際的な研究者たちがScience Advances誌に結果を発表
その結果、長い年月展示されて人の息を浴び続ける事で元々夕日の背景に使っていた鮮やかな黄色の絵具と、拷問された主人公の首の部分が色あせてオフホワイト調に劣化していってしまいました。
主人公の頭上の湖に使われた黄色い塗料もハゲ落ちてしまっています。
ベルギー、イタリア、ブラジル、米国の研究者たちはScience Advances誌研究結果を発表しました。
“The extensive use of these new colored materials poses a challenge for the long-term preservation of Munch’s artworks because of their tendency to undergo (photo-)chemical transformations causing color changes and/or structural damage,” 「これらの新しい着色料の広範な使用は、色の変化および/または構造的損傷を引き起こす (光) 化学的変換を受ける傾向があるので、ムンクの作品の長期保存に対する課題を提起する。」By:Science Advances
と彼らはそこに記しています。
『絵に息抜き』を与えてあげてはどうだろうかと提言
研究チームの科学者の一人であるアントワープ大学のKoen Jansens氏はGuardian誌のインタビューでオスロのムンク美術館を訪れた人たちに、『絵に息抜き』を与えるようアドバイスしました。
また、「人々が呼吸すると湿気が発生し塩化物を排出するので、一般的に絵画では、通り過ぎる人全ての息に近づきすぎてはあまり良くありません」とも提言しています。もちろん、呼吸で絵が劣化するというのは数ある原因の一つでしかありませんが。
しかし、コロナウイルスの蔓延を防ぐために世界中の美術館が閉鎖された為、皮肉にもこの絵はようやく必要とされていた社会的距離を得る事が出来る様になりました。(ムンク美術館は6月15日に再オープンする予定ですが。)
この記事の簡潔なまとめ
世界的に有名な絵画ムンクの『叫び』が日々劣化している原因というのが、まさか通行する人たちが「呼吸をしているから」という研究結果が世界的な研究チームの成果によって明らかになりました。
美術館のマナーとして走らない・大声を出さない等はわかりますが、呼吸をしない・・というのはなかなか難しいですね。
近いうち美術館の作品に『この作品の前で大きく呼吸をしないで下さい』といった注意書きなどが置かれる事になるのでしょうか?
絵画にとっては大声を出される事よりも、走り回られる事よりも目の前で呼吸されてしまう事の方が負担になるわけですからね。仕方がないと言えば仕方がないですが。
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